スカッシュは、短時間でたくさん汗をかけるスポーツです。それは間違いありません。
しかし、スカッシュたくさんしてるのに全然痩せない!!という声もたくさんあります。
なぜ?
この原因として考えられるのには、主に3つの説があります。
1つずつ検証していきましょう。
スカッシュは無酸素運動だから、脂肪は燃焼されない説。
スカッシュは上達すればするほど、激しいスポーツになってきます。
高いレベルで実力が拮抗してくると、ラリーは長く、苛烈なものになります。
ラリー中は息も絶え絶え、これはもう、無酸素運動だ!!
無酸素運動は脂肪を燃焼しないから、スカッシュは痩せない!!という説ですね。
実際、有酸素運動に酸素は不可欠です。
息が完全に切れている状態で運動を続けても、無酸素運動といっていいでしょう。
そして、有酸素運動と無酸素運動では、使われるエネルギー源が違います。
ざっくりまとめると、
- 無酸素運動→筋肉中に蓄えたグリコーゲン(糖)を使用。
- 有酸素運動→血中の脂肪を使用→20分後、皮下脂肪や内臓脂肪を使用。
となっています。脂肪を燃焼するのは、有酸素運動ということですね。
そして、ダイエットには筋トレが不可欠、というお話は皆さんご存じのはずです。
これもざっくりいうと、筋肉をつけ、基礎代謝を上げて脂肪を燃焼させるということですね。
この筋トレは、糖を使用する無酸素運動に当たります。
どちらがダイエットにより効果的か、というお話にはここでは触れません。
なぜなら、スカッシュはこの、「どちらにも当てはまる」ということが言えるからです。
長距離のマラソンでも息が上がってしまっている状態は、無酸素運動の要素が含まれます。
スカッシュも両方の要素があるといっていいですね。
長い1ラリー時に一時的に無酸素運動状態になってはいても、全体を通して一定時間以上プレイを続けられれば(休憩をはさんでも可)、それは有酸素運動ということですね。
つまり、どちらの効果もある=ダイエットには効果がある。ということになります。
したがって、「スカッシュには有酸素運動も含まれるので、脂肪も燃焼される」というのが正解です。
せっかくなら、20分以上はプレイしたいですね。
ラリーが続いていない説
初心者だからラリーが続かず、運動になっていない気がする。という説です。
確かにまったくの初心者様同士で、長いラリーをしようと思っても、なかなか続かない場合があります。
これは確かですね。「ラリーが続かないと運動強度は上がらない」のは、本当です。
個人差はありますが、運動強度を上げるには、ある程度の技術が必要になってきます。スカッシュにおいて、上達と運動量は比例していきますので、うまくなればなるほど、運動量を上げられるといっていいでしょう。
解決策としては、「1人練習で、ある程度ボールをコントロールできるようにする」という方法をお勧めします。
ボールを全くコントロールできない2人でラリーを続けようとするのはさすがに難しいです。
一人練習の方法は別記事でご案内しますが、1人練習でも有酸素運動としての役割は果たせます。
ダイエット目的で行う初心者様には、うってつけの方法かと思います。
この場合の注意事項は、目標を設定して集中して行う、ということです。
何となく、だらだらと行っても、上達が遅れる→より高い負荷が欠けられない→運動強度が低いままとなってしまいます。
また、スカッシュは本来「相手のいないところ」に打っていくスポーツですので、ある程度打てるようになってお互いの打ちやすいところに打ち続けていても、あまり運動量は稼げないですね。
同じくらいのレベルのパートナーがいる場合、ある程度制限や負荷をかけた練習をすると効果的です。
別記事にてまとめましたので、参考にしてみてください。
同じクラブ内に上級者がいる場合、その方にラリーをお願いする、というのが手っ取り早いですね。
クラブによっては、スタッフがラリーをしてくれるプログラムもあります。(有料のことが多いです。)
経験者の方は、必ず初心者時代を経験しています。
「ダイエットしたいから、たくさん動かしてください!」みたいにお願いすると、大抵の場合ヘロヘロになるまでちょうどよくラリーで動かしてくれます。
この場合、無理のし過ぎは禁物です。ケガをする前に、早めにギブアップ宣言をしましょう。
ダイエットは続けることが何より大切です。そのためには無理せず、楽しく行うというのが一番です。
消費カロリー以上に食べてる説
スカッシュをダイエット目的に行っているのに、痩せない理由としては、第1位ではないでしょうか。
「運動している以上に食べてる」
間違いなく、動くより食べたら、太ります。
数字で言うと、1KGの脂肪を落とすのには、7000キロカロリー減らさなければなりません。
スカッシュを1時間打って減らせるカロリーは、個人差はありますが、600~900キロカロリー程度。
(結構高い数字です!!)
当然、1日、1~2時間のスカッシュで1キロ減らすのは無理です。
男性で基礎代謝が1500キロカロリーとして、1日の摂取カロリーを2000キロカロリー前後に抑え、毎日100~400キロカロリー減を目指すと、1ヶ月で平均7500キロカロリー消費できるので、やっと約1キロ減らせる計算になりますね。
結論として、ダイエット目的でスカッシュするには、食事制限も必要ということですね。
しかしながら、続けていけばスカッシュは筋力も付きますので、基礎代謝は上がります。
上達すると、さらに効率よく運動効果が得られるので、やればやるほど痩せる準備は整っていきます。
ある程度食べても大丈夫になりますね。
スカッシュに限らず、体を動かすというのは、本当に気持ちがいいものです。
上達を目標にすると、壁にぶつかったときにストレスを感じたりもしますが、壁を乗り越えたときには、爽快感が待っています。
長くなってしまいましたが、「スカッシュをするだけ」では、ダイエットにはならないということですね。
ダイエットを目的としてスカッシュに取り組む場合、「上達を目指しながら、食事制限も行う」ことが必要です。
また、短期間で結果を出すことよりも、楽しみながら長期間で計画を立てるといいのではないでしょうか?